Twitterで話題になっていたので読んでみました。
読んだ本
3行で
- 「高値で売る」と考えると、辞めたくない時に転職活動を始めるべきかも
- 転職エージェントだけじゃなくてコミュニティも有効そう
- ただし「軸ずらし」の難易度が少し高いので、一長一短っぽい
「ちくしょう!転職だ!」は悪手
どこかの転職サイトのバナー広告で一時期流行っていましたが、この本を読んで感じることは「そう思った時に転職するのは割と悪手だな」ということです。
「やめること」が目的になると、どうしてもあまりよくない条件でも受け入れてしまいがちになります。
「本を処分したい時は、ブックオフで査定がつかなくても引き取ってもらう」と考えると、なんとなくイメージしやすいかなと思います。
エージェントじゃなく、コミュニティ?
JAWS-UGやWordPressコミュニティ、AAJUGなどのコミュニティではよく「コミュニティ転職」に遭遇します。
コミュニティによく参加している人が、コミュニティでよく見かける・参加している会社に転職していくというものですが、本書で紹介されている転職エージェントにプラスαすると面白いかなと思いました。
コミュニティに参加し、プレゼンテーションやOSSへの関与などの活動を行なっていると、それらの足跡がそのまま企業にとってのアピールコンテンツとなります。
実際自分が転職した時も、「WordCampでのBacklogの使い方をみていて、仕事の進め方も問題なさそうだと思った」や「APIを利用するプロダクトをOSSで出しているから、APIベースのAWSを覚えるのもあまり時間がかからなさそうに感じた」のように評価してもらっていました。
軸ずらしができるコミュニティか?
とはいえエンジニアコミュニティのような職種ベースコミュニティだと、エンジニアという職種からずらすことができないという問題もあります。
プロダクトやIssueベースといった話題ベースのコミュニティであれば、営業・デザイナー・エンジニア・ディレクターなどさまざまな切り口から参加していることが多いです。
ですので、職種系のコミュニティで知見を深めつつ、話題ベースのコミュニティにも参加して視野と転職のレンジを広げていくという2軸の参加がキャリアを考える上ではよいかもしれません。
もちろん、「活動の結果、転職できた」だけで「転職するためだけに参加する」という動きが受け入れられるかどうかという点は見極める必要がありますが。
平均の少し下から上に行く
軸ずらしについての章で面白いなと感じたのは、転職時は「業界・職種の平均より少し下かつ今の年収より上になる部分を目指す」という点です。
平均より下ということは、雇う側にとってはお買い得にみえるでしょうし、それでも今より高い値段をつけることができれば自身(売る側)にとっても得です。
なかなかそんな業界・職種を自力で見つけることは難しいかもしれません。が、探すならそういうラインをちゃんと見極めて、不必要に安売りすることは避けたいなと思います。