Stripeを使った開発やデバッグを簡単にする生成AIツールたち(2024年10月版)

Stripeを使って決済やサブスクリプションなどを構築する際にありがちなのが、「この使い方ってできたっけ?」と仕様を確認したくなることです。APIの種類やパラメータの数が非常に多いことや、毎週のように新しい機能が追加されていることから、「できた / できない気がするけど、本当に?」と不安になることも少なくありません。中の人も本当にそうかを確認するため、回答前にめっちゃAPIドキュメントなどを読み漁っています。

そんな時に使える生成AI系のツールを2つ、この記事では紹介します。

Stripeのドキュメントにおける生成AI

Stripeのドキュメントとその周辺には、2つの生成AIが関連する機能やツールが公開されています。

  1. Docs AI (ベータ版)
  2. LlamaIndex StripeDocsReader

1. Docs AI (ベータ版)

Docs AIは、Stripe公式ドキュメントサイトに追加された生成AIアシスタント機能です。現在ベータ版として提供されており、英語でのみ使うことができます。

使い方

Stripe Docsにアクセスし、言語設定を「English (United States)」に変更します。

その後、サイト上部の検索フォームをクリックします。すると「Ask AI Assistant」機能が表示されますので、これをクリックします。

クリックすると、検索フォームに質問を書くことができます。下のスクリーンショットでは、「1回きりの請求も含めたサブスクリプションを、クーポン付きで作る方法を教えて」と英語で質問しています。質問を送信すると、Stripe Docsの内容を元に回答文章の生成と、詳細が読めるドキュメント記事へのリンクが紹介されます。

サンプルコードの生成などまでは現状難しい様子ですが、「あのやり方どの記事に書いてあったっけ?」となった時の探し方や「できるかできないかをまず知りたい時」などにはかなり使えそうです。英文もGoogle翻訳を使って英訳したもので十分に動作してくれました。

2. LlamaIndex StripeDocsReader

Stripe Docs以外の情報、例えばStripeが公開しているOpenAPI Specification なども参考にしたい場合は、自前で生成AIアプリ(RAG)を作ることもできます。この場合に使えるツールが、LlamaIndex StripeDocsReaderです。これは、Stripeが開発し、オープンソースのLlamaIndexプロジェクトで公開しているツールです。このLoaderを使用することで、Stripe Docsのコンテンツを読み込み、独自のRAGシステムを構築することができます。

特徴

  • Stripe Docsの内容を効率的に読み込むことができます。
  • 自前でベクターストアやRAGを構築する必要がありますが、より柔軟性の高い社内ツールを開発できます。

使用方法

LlamaIndex StripeDocsReaderの使用方法については、以前Qiitaで日本語訳記事を公開しています。

Stripe DocsをLlamaIndexで読み込む方法

まとめ

このようにStripeのドキュメントをより便利に活用するためのツールが、リリースされていたり、開発が進行しています。他にもStripeの一部製品にはアシスタント機能が搭載されているなど、より開発を便利に、運用をスムーズに進めるためのコンポーネントとして、Stripeは生成AIを活用しています。

まだ紹介できていないツールなどもありますので、そちらはまた次回ご紹介します。

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