この記事では、月々の請求管理やイベントチケット販売などでStripeを個人的に使っている方法について紹介します。個人事業の請求管理や、小規模ビジネスでの手軽な販売方法を探している方などの参考になればと思います。
Stripeに関するノウハウや経験談が集まっています。みなさまぜひご覧ください!
https://qiita.com/advent-calendar/2024/stripe
個人的なStripeアカウントの使い方
個人開発や個人的にお手伝いしている会社への請求管理、あとはその会社での請求周りのお手伝いなどで、LiveのStripeアカウントにも3つ4つほど参加しています。StripeのDevRelなんだから、ゴリゴリにコードを書いた組み込みをやっている・・・というわけでもなく、「Stripeの組み込みをいろいろ試したい」という意図で運用しているサービスを除き、できるだけノーコードで済ませるようにしています。これはシンプルにできるだけ時間をかけずに済ませたいと考えていることや、シンプルに個人開発や個人的な自動化などで管理対象のコードベースが増えているので、あまりコードを書きたくない・・・と思っている部分もあります。
StripeのiOS / Androidアプリで大体の作業を済ませる
Stripe、あまり知られていないのですが、iOS / Android向けのアプリが公式でリリースされています。そして基本的に簡単な請求管理や決済処理系のタスクはこのアプリを使って行っています。ちょっとした作業の請求書を出したい場合や、ミニイベントのチケット販売フォーム作成を依頼された場合などでは、このアプリから請求書や支払いリンク(Payment Links)を発行します。
請求書の発行もアプリから数分でメール送信まで完了できる
請求書の発行もとても簡単です。最低限必要なのは、金額・請求名目そして顧客のメールアドレスの3つだけ。これだけあれば、アプリからすぐに請求書を発行して、メールで送信することができます。ちなみにこのアプリ機能は、JP_Stripesイベントの懇親会などでごく稀に実機デモをすることがありますので、興味がある方はJP_Stripesイベントなどで声をかけてください。
支払い完了やサブスクリプションの未払い通知もアプリから
あとは定期的な保守作業の請求もサブスクリプションで行っています。サブスクリプションではごく稀にですが、カードの期限切れなどで支払いが遅延する場合もあります。この場合もアプリの通知設定から「失敗した支払い」をオンにしておくことで、決済に失敗した瞬間に気づくことができます。
顧客へのリマインドもとても簡単です。未払いになっている請求書をアプリで見つけ、請求書の決済URLを取得します。あとはこれを顧客にDMやメールなどで送信して、新しいカードで支払いをしてもらうように依頼しています。
取得したURLには、期日や金額・支払いのためのカードフォームなどが揃っています。なので支払い失敗の通知を受けたタイミングで、請求書の支払いURLを取得し、DMを送ることですぐに顧客への通知が行えます。もちろんMakeやAmazon EventBridgeを利用した自動化も可能ですが、やりとりしている相手とのコミュニケーションがSNSのDMなことや、発生頻度が4・5年に一度とオリンピックの開催頻度よりも少ないことから、通知ベースの手作業にしています。アプリからURLを取得してDMするだけなので、数分で終わりますしね。
その他にも件数が少ないためにあまり使っていませんが、売上高レポートや不審請求の申請が発生したかどうか・顧客名やメールアドレスでの検索機能なども搭載されていますので、請求管理を手早く済ませるには、とても便利です。
ミニイベントのチケット販売も、アプリから
これは最近依頼されてやった作業ですが、とあるアーティストのミニライブチケットをStripeのPayment Linksで販売しました。自分がレッスンを受けている人でもあるので、休憩時間の雑談の流れで「こういうことできる?」と聞かれたのが始まりで、「あぁ、じゃあ今作りましょうか」ということでその場でアプリを使って作って見せました。
Stripeのアプリでは、Payment Linksの支払いURLを作るための商品登録や画像アップロードも行えます。なので金額とイベント名などをその場で聞いて、これを打ち込むことで商品登録を行いました。
あとはPayment Linksを作成する画面を立ち上げ、当日の受付方法(本人確認の方法)や割引・チケットの配送方法などを確認しながら設定を入れていきます。
支払いリンクのURLを発行すると、アプリではそのままQRコードの発行まで行えます。このQRコードをスマートフォンでスキャンしてもらい、フォームの内容を確認してもらいました。その後問題がないことを確認してから、チラシなどの印刷物に追加するため、QRコードの画像も共有しています。
受付での確認は、CSVデータを利用
今回相談のあったイベントは、チケット枚数を厳重に管理する必要がなく、また、当日名前や電話番号を伝えてもらう形での受付フローでも問題ないとのことでした。そこでイベントの2・3日前に支払いリンクを無効化し、取引データをCSVでエクスポートしました。この操作だけは流石にPCから行う必要がありました。
販売期間とエクスポートする情報を絞り込みしておきます。
あとはCSVデータを確認しながら、受付スタッフが読みやすい形に整形して終わりです。厳密なチケット管理や受付が必要になると、このフローでは難しいと思いますが、ある程度イベントの雰囲気なども知っている相手ではあり、これで問題ないだろうと踏んだため、このオペレーションを提案することで手間を大幅に減らしています。(実際提案したその場でOKもらえました)
「その場で作業できる」のがアプリの強み
StripeのダッシュボードやAPIを使った運用も、多彩な機能をチーム・担当者ごとに使いこなすことができるため、決済・請求管理を効率化できてとてもよいと思います。ただ、「そこまで取引量やタスクがあるわけでもないかなぁ」と思われる場合は、もしかするとスマートフォンのアプリから始めるとよいかもしれません。請求書と支払いURL / QRコードの発行ができますので、例えば訪問先の玄関や会議室でそのまま請求操作ができます。また、デバイスの共有機能を使うと簡単にSNSやチャットアプリへの共有もできますので、出先で通知を確認したときに、顧客やチームへ迅速な連絡を行うこともできます。
意外と知られていない機能ですが、請求業務や商談管理などのオペレーションを効率化し、収益を最適化できる立派なRevTechツール(RevOpsを実現するための技術・ツール)だと言えます。
Stripeを運用されている方は、ぜひアプリをダウンロード・インストールしてみてください。